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合意更新と法定更新
カテゴリ:(新) 知って得する!不動産の豆知識  / 投稿日付:2018/09/30 18:10

今回は建物賃貸借契約における「合意更新」と「法定更新」についてお話したいと思います。

合意更新とは

賃貸借契約の期間満了に際し、貸主と借主の合意により、従前の賃貸借契約を存続する旨の
契約を合意更新といいます。
合意更新は貸主借主双方の合意により、従前の契約とは別に、
新たに賃貸借契約を締結するので、従前の契約は合意更新契約の成立と同時にその効力を失い、
賃貸借契約の内容は全て更新契約の定めることになります。


但し、従前の契約において定められた敷金、保証金、連帯保証人などについては、
それについて特段の合意がなされない限り、当然に更新後の契約上の債務を引き続いて
担保するものですが、
それを明確にしておくために契約書面にその旨を明示しておくことは
より望ましいです。


法定更新とは

賃貸借契約が満了したにも拘らず、合意更新を行うことなく放置しておいた場合、あるいは、
合意更新の条件等について、当事者間の合意が得られずやむをえず期間が過ぎてしまった
場合などについては借地借家法26条は、「従前の契約と同一の条件で契約を更新したものと
みなす」としています。
これを法定更新といい、合意更新がされてなくとも、法律によって新た
に従前の契約と同一の条件による賃貸借契約が締結されたものとされるということです。

オーナーがこの法定更新を防ぎ、現実に契約を終了させるためには、
下記の要件を具備する必要があります。


①賃貸借契約に期間の定めがある場合には、「期間満了の1年前から6カ月前までの間」に
借主に対して「更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新しない旨を通知」をなすこと

②上記①の通知をなした上で、更に賃貸借期間が満了した後、借主が建物の使用を継続する場合には、
それに対し、地帯なく異議を述べること。

③上記の更新拒絶の通知、または、解約の通知に「正当事由」があること。
次に法定更新の効果である「従前の契約と同一条件」の内容が問題となります。

◆賃料
期間満了による賃貸借の更新後も賃料について当事者双方の協議が成立していない場合には、
更新前の賃料が更新後の賃料となります。

◆期間
期間の定めのある建物賃貸借は、法定更新後、期間の定めのないものとなります。
したがって、正当事由がある限り解約申し入れができるようになります。

◆全賃貸借について供された担保の効力
終了について正当事由が要求され、更新に関する当事者の意思が全く重要性をうしなった
賃貸借契約については、更新後の関係は
原則として更新前の契約と同一性があること、
さらに連帯保証人などの第三者は、このような賃貸借はたとえ機関の定めがあっても、
更新されるのが原則であることを予期すべきことを理由に、借主が供した担保だけでなく、
第三者の供した担保や連帯保証人としての責任も更新後の賃貸借についてその効力を
持続すべきものとする説が有力です。

◆敷金
民法619条2項但し書きでも敷金の継続を認めているので、賃料不払いの担保としての敷金の機能は、
更新後の賃貸借についても持続します。


少し複雑な説明になったかもしれません。
更新に関するトラブル等がございましたら是非当社までご相談ください。

M.N


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